懐かしい作品は友達と見て、架空同窓会をする!(ヤマトとアリータの話)
先週の土曜日は、友人たちと映画のはしごをしてきました!
1本目は「宇宙戦艦ヤマト2202」。
実はTVでも放映が始まっていて、1週間待てば、おうちでも観ることができるのですが、やっぱり劇場で見たくなって、新宿ピカデリーまで行ってしまいました。
劇場へ行く理由は、大迫力のスクリーン&音響で、というのはもちろんあるんですが、この「宇宙戦艦ヤマト2202」という作品の場合は「お祭り感を味わうために来た」という要素が大きい。
「40年ぶりのリメイク」ということもさることながら、ヤマトという作品は、公開直前の盛り上げが実にうまかったんですね。
最近当たり前になってきた「冒頭数分」や「これまでのダイジェスト」は当然のことながら、
『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』第七章「新星篇」冒頭9分
『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』第六章までのダイジェスト
公開日に向けて毎日更新の「愛の宣伝会議」シリーズ。
『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』第七章上映記念 愛の宣伝会議 ①
週明けから過去回を1話から見返しつつ、これらの動画を見ていると、よぉーし、土曜日は最終章を見に行くぞ! という気持ちが盛り上がり、
せっかくなんだから「空いてる日より、混んでる日に行こう! ヤマトファンでいっぱいの劇場で見たいし!」などと普段の映画鑑賞とは正反対の行動パターンになってしまったりするんですね。
映画ってお祭り!
普段はガラガラのほうがお得感を覚えてしまうハコも、お祭りなので、満員御礼のほうが楽しい! それにしてもヤマトは年齢層広い!
そしていよいよ第7章上映となったわけですが……。
宣伝文句の「あらゆる予想を覆し」は、掛け値なく、本当でした。
こんな結末、誰も予想できないよ……!
あっという間の100分間でした。
土星から始まった大決戦はますますヒートアップ! 「さらば」でも「2」でもない、白色彗星帝国・ガトランティスとの戦いを描いた第3ルート路線をガンガンと突き進んだあげく、ミルが****たところで、テンションはもう最高潮!
絶対話し合いマンと化した2202古代さんですら、戦いの覚悟を決めるしかない状況。最終決戦へのお膳立てがそろい、見たこともない場所に連れていってくれる期待に胸いっぱいとなったところから、旧作への合流が始まろうとした時には「おいおい、ここまでやっておいて、今さら予定調和なんてナシだぜ! 最後までブッ飛ばしてくれなくちゃ!」などと思ってしまったのですが、そのあと真田さんの台詞に感涙! わたしの中では、一連の旧作展開は残してもよし、という結論となりました(順番、逆になってない?)。
2202は、2199(1stヤマトのリメイク)を引き受けた上で、旧作が置き去りにした(テレサの光でうやむやにした)テーマに対してアンサーを出そうとしています。
きれいな着地点ではありません。
「人の業」などという難題に対して、エヴァやイデオンのようなバッドエンドを選ぶ道もあります。「解決は無理」と断言して、世界を終わらせる。そこにあるのは絶望ですが、それ以上、悩まなくてもいいという救いもあります。人が自殺を選ぶ時のように。
問題を自分たちの側に引きつけて、ぎりぎりの希望を残すような着地点。絶望という逃げ道をみずから絶って、悩みながらも前進するための答えを出そうとしている。それが2202なのだと感じました。
それがビジネス上の正解かどうかはわかりません。そもそもファンは「さらば」や「2」に対するアンサーなんてものより、旧作の再現を望んでいたのかもしれないのですから。
でも、わたしは、あの終わり方を良しとします。
劇場から出ると、ぴあのひとが出口調査をしていたので、思わず「100点満点中120点!」と回答。
たとえるなら監督ごとに毛色の変わる「スパイダーマン」。「さらば」に対する新解釈が「2」であるように、この「2202」も新解釈。
次の映画までの待ち時間「実写版ヤマトは見ていない」という友人を、実写版ヤマト経験者で取り囲み、いかに真田役の柳葉敏郎さんがマジ真田なのか、という話をしました。
SPACE BATTLESHIP ヤマト スタンダード・エディション 【DVD】
- 出版社/メーカー: TCエンタテインメント
- 発売日: 2011/06/24
- メディア: DVD
- 購入: 3人 クリック: 21回
- この商品を含むブログ (43件) を見る
木村拓哉主演ということで、界隈ではイロモノ扱いされがちな実写版ですが、 真田さんがこちらの世界に転生したら柳葉敏郎になっていたのではないか、と思うぐらいに、真田志郎=柳葉敏郎です。
検索したら、こんな記事が。
「柳葉さんの“ヤマト愛”はハンパない! 古代に“お前を弟のように思っていた”という原作と同じ台詞があるんです。撮影前の柳葉さんは、半径5メートル以内がヤマトの世界になっているのを感じるほどでした」
やっぱり柳葉さんは転生体だったんだ……。
パンフレットを買って、ネタバレを読む。冒頭の福井さんのテキストが、2202という戦いがいかに重かったのかを感じさせます……。
さてさて、2本めは実写版「銃夢」、もとい「アリータ:バトル・エンジェル」
すっごく銃夢でした……。
冒頭、空中都市ザレムから地上をなめるビジュアルを見せられた段階で、もう心をぎゅっとつかまれてしまったのですが、登場人物の再現度(とくにノヴァ!)も高く、エピソードの構成もアリータを中心とした「愛」を軸にまとめてあって、最後までダレるところがありませんでした。
愛といえば、作品のそこかしこから伝わる、原作「銃夢」への愛!
映画見る前は覚悟してたんですよ。キャメロンさんはモーターボール編をやりたいだろうし、そこが一番面白い映像になるだろうから、原作のエピソードは大改変されていても仕方ないな、とか。スターウォーズでも第1作ではデス・スターをふっとばしたのだから、ザレムが落ちるとか半壊するぐらいのラストにされても仕方ないな、とか。
そんなこと全然ありませんでした!
むしろ、そこまで原作を大事にして(派手な終わり方にしなくて)、興行大丈夫なんですか!? と、こっちが余計な心配をしたくなるぐらいの銃夢。超銃夢。
圧倒的感謝しかない……!
そのあとは、なだれ込むように飲み会。
映画の感想について、あーだこーだ。
みんな、自分のなかにある「俺ヤマト」を基準に好き勝手なことを言いあいます。
40年も経つと、制作者、いや、原作者ですら破壊できない「俺ヤマト」が出来上がっちゃっているし、酒も入っているから、議論も噛み合ってるようで噛み合ってないようでひたすらに平行線。
君は君のヤマト、俺は俺のヤマト。みんな違って、みんないい。
新作を作ってもらえれば、それでいい。
不思議なもので、ヤマトにしろ銃夢にしろ、放映・連載当時は、別々の学校に通ってて赤の他人だったはずなのに、作品の話をしていると、まるでクラスメイトと話すみたいな感覚になれるんですね。
そう、架空同窓会。
これがけっこう楽しい。
心がタイムスリップしたみたいな気分。
若返るのが嬉しくなってる時点で、心がおっさんなのだけれども。
リメイク作は(銃夢はリメイクじゃないけど!)誰かと一緒に見に行こう!
お祭り気分で楽しもう!
そして見終わったあと、語り合おう!
そんなことを思った、新宿の夜なのでした。